コラム
COLUMN【FCトレンドコラム】フランチャイズ本部のホームページはここに注目
これからフランチャイズ加盟をしようとする人が、最初にアプローチするのが本部のHPでしょう。何といっても、インターネットほど情報を収集するのに便利なものはありません。
フランチャイズ本部もそのあたりの事情はよくわかっていて、良からぬフランチャイズは何とか無知な加盟希望者を誘い込もうと、甘い言葉を並べたHPを作って手ぐすねを引いて待てっているわけです。フランチャイズを錬金術だと考える悪徳チェーンは後を絶ちません。
私が注目してほしい点は、そのチェーンの「肝」になる部分が加盟希望者にきちっと訴えられているかどうかなんです。では、「肝」っていったい何だということになるかもしれませんね。説明するのが難しいのですが、それは、そのチェーンの存在基盤に関わるノウハウということになるでしょう。
例えば、学習塾のフランチャイズならどういう学習プログラムをどういう方法で教えるかが「肝」になるでしょう。リユース系のフランチャイズなら、買取りの際の目利力ということになるでしょう。
ところが、いい加減なチェーンのHPを見ると、加盟者の気持ちをくすぐるような言葉ばかりが躍っています。それでいて、「肝」についてはほとんど説明がありません。
たとえば、「年収××××万円可能」、「高所得オーナー続々登場」、「資本回収期間×年」など。もっとひどい例ですと、「資金運用利率××%」なんていう出資法違反にならないかと心配になるようなことキャッチコピーがあったりします。
これって、事業の肝とは無関係で、次元の違う話なんです。システムやノウハウがあり、結果として売上や利益が生じるわけですよね。
最近のフランチャイズを見ていると、本当の意味でのシステムやノウハウなしでフランチャイズ展開しているチェーンがたくさんあります。アイデアや思いつきをネタにしてフランチャイズをやっているんです。こんなチェーンに加盟してしまったらもう浮かばれません。反対に、自信のあるフランチャイズは自分たちの事業の「肝」を堂々とアピールしています。本部のHPを見るときは、ただ漫然と眺めるのではなく、そのチェーンの「肝」は何かに注目してください。
コラム著者のご紹介
成蹊大学経済学部卒業、イベント会社社長を経てFCコンサルタントとして独立。㈳東京都中小企業診断士協会フランチャイズ研究会会長、日本フランチャイズチェーン協会フランチャイズ相談室相談員等を歴任。豊富なフランチャイズ本部構築実績あり。日本経済新聞社主催のFCショー等での講演、FC専門誌・専門書の執筆多数。